「家賃を払い続けるのはもったいない」「持ち家は資産になる」——よく聞く言葉です。ですが、人生で最も大きな固定費である“住居費”を、その雰囲気だけで決めてしまうのは危険です。私自身は今、マンションの賃貸に住んでいます。「いつかは持ち家」と漠然と思いつつも、今は賃貸が合理的だと判断しているからです。この記事では、持ち家か賃貸かを後悔せずに判断するための軸を、我が家の考え方とともに正直にお話しします。
この記事はこんな悩みを解決します
- ✓ 「家賃はもったいない」と言われて持ち家に迷っている
- ✓ 持ち家と賃貸、どちらが得なのか自分では判断できない
- ✓ 大きなローンを組むことに漠然とした不安がある
読み終える頃には、自分にとって持ち家と賃貸のどちらが合うかを、感情ではなく軸で考えられるようになります。
※住まいの選択は、家族構成・収入・地域・価値観によって最適解が変わります。本記事は一個人の考え方の共有であり、特定の選択を推奨するものではありません。
先に結論
- 持ち家か賃貸かに唯一の正解はない。判断軸を持つことが大事
- 我が家は①災害リスク②物件価値③金利の3点から、今は賃貸を選んでいる
- 買うならローンに頼りすぎず、身の丈に合った形で。これは車と同じ考え方
「持ち家か賃貸か」に唯一の正解はない
まず大前提として、どちらかが一方的に得をする、という答えは存在しません。総額で比較しても、住む年数・地域の地価・金利・売却時の価格しだいで結果は逆転します。将来の数字は誰にも正確には読めないからです。
だからこそ大事なのは、「みんなが家を買うから」「家賃はもったいないから」といった雰囲気で決めないこと。自分なりの判断軸を持って、納得して選ぶこと。これが、住まいで後悔しない唯一の方法です。私が重視しているのは、次の3つの軸です。
我が家が「今は賃貸」を選ぶ3つの理由
理由1:災害が多い国でのリスク
日本は地震・水害をはじめ災害の多い国です。持ち家は、その土地に資産を固定することでもあります。万一被災しても、賃貸なら住み替えで対応できますが、持ち家はローンだけが残るリスクがあります。「動けること」自体が、不確実な時代のひとつの価値だと考えています。
理由2:価値が上がる物件を持てないなら、賃貸が無難
持ち家を「資産」と呼べるのは、その物件の価値が落ちにくい、あるいは上がる場合です。ですが、資産価値の上がる立地・物件は価格も高く、誰もが手に入れられるわけではありません。値下がりしやすい物件を高いローンで買えば、それは資産ではなく負債に近づきます。価値の上がる物件を現実的に持てないのであれば、無理せず賃貸でいるほうが無難、というのが我が家の判断です。
理由3:金利上昇局面で、巨額のローンは慎重に
長らく超低金利が続きましたが、金利は局面によって動きます。金利が上がる局面では、数千万円のローンは返済負担が重くなる可能性があります。何十年も続く固定費を、先の読めない金利に賭けて背負うことには、正直なところ慎重になります。これは個人の心理的な部分も大きいですが、無理のない範囲で住居費をコントロールしたい、という考えです。
「家は資産」とは限らない
「持ち家は資産になる」とよく言われますが、これは半分正解で半分は誤解です。資産とは、将来お金を生む・価値を保つもの。住んでいるだけで価値が下がり続ける物件は、会計的には負債に近い性質を持ちます。
さらに持ち家には、固定資産税・修繕費・管理費など、購入後も続く費用があります。「ローンを払い終えれば終わり」ではないのです。こうしたコストまで含めて、賃貸との総額を冷静に比べる必要があります。これは保険を「本当に必要な分だけ」に絞る考え方と同じで、詳しくは必要な保険だけに絞る記事でも触れています。
それでも、持ち家を否定はしない
ここまで賃貸寄りの話をしてきましたが、持ち家を全否定するつもりはありません。次のような人には、持ち家が合理的です。
- 資産価値の落ちにくい立地の物件を、無理のない範囲で買える人
- 長く同じ場所に住む予定がはっきりしている人
- 自分好みに家をつくりたい、という満足度を重視する人
住まいは「損得」だけで決まるものではなく、暮らしの満足度も含めた選択です。大事なのは、メリットとリスクの両方を理解したうえで、自分で選ぶことです。
車と同じ「現金で買えないものは買わない」
住まいに対する我が家の基本姿勢は、車と同じです。それは「現金で買えないものは、無理して買わない」という考え方。買うなら、ローンに頼りきらず、身の丈に合った形で——というのが理想です。
もちろん、これは万人に当てはまる正解ではありません。ローンをうまく活用できる人もいます。ただ、「借りられる額」と「無理なく返せる額」は違うという点は、住まいでも車でも共通する注意点です。固定費を身の丈に収める考え方は固定費を削って浮いたお金を作る記事にもつながります。
賃貸でも、資産形成はできる
「賃貸だと資産が残らない」と心配する人もいますが、そんなことはありません。頭金やローン返済に消えるはずだったお金を、投資や貯蓄に回せるのが賃貸の強みです。
大切なのは、住居費を身の丈に抑え、浮いたお金をきちんと将来に向けて積み上げること。住まいの形にかかわらず、家計の土台を整えて資産を育てる流れは働く大人の家計改善ロードマップにまとめています。家を持つ・持たないより、住居費をコントロールできているかのほうが、長い目では効いてきます。
今日からできること
- 今の住居費が手取りに占める割合を計算する:目安は手取りの3割以内
- 「買う場合の総額」を試算する:ローン総額+税金+修繕費+管理費まで含める
- 雰囲気でなく軸で決める:災害・物件価値・金利・暮らしの満足度で判断する
よくある質問
「家賃はもったいない」というのは間違いですか?
一面的な見方です。家賃は「住む場所」と「身軽さ」への対価で、修繕費や固定資産税、値下がりリスクを負わずに済みます。持ち家にもローン以外のコストがあるため、家賃だけを「もったいない」と切り取るのは正確ではありません。
結局、持ち家と賃貸はどちらが得ですか?
住む年数・地価・金利・売却価格しだいで結果が変わるため、一概には言えません。「得か損か」より「自分の状況とリスク許容度に合うか」で選ぶのが現実的です。
賃貸だと老後が不安です。
住居費を抑えて浮いた分を計画的に積み立てておけば、老後の住居費にも備えられます。重要なのは住まいの形そのものより、生涯の住居費を見通して資金を準備できているかどうかです。
迷ったら「いつでも動ける状態」を優先する
判断に迷ったとき、私が大事にしているのは「身軽さ」です。転職、転勤、家族構成の変化、収入の増減——人生は思った通りには進みません。大きなローンや持ち家は、その変化への対応力を下げてしまう面があります。賃貸は割高に見えても、「いつでも住み替えられる自由」という保険料が含まれていると考えれば、納得感があります。もちろん、生活が安定して将来の見通しが立った段階で持ち家に切り替える、という順番もありです。焦って大きな決断をしないことが、結局は家計を守ります。
まとめ:住居費は「軸」で決める
住居費は人生最大の固定費です。だからこそ、雰囲気や他人の意見ではなく、災害リスク・物件価値・金利・暮らしの満足度という軸で、自分にとっての最適解を選ぶことが大切です。我が家は今、その軸で考えた結果として賃貸を選んでいます。買う・買わないより、住居費を身の丈にコントロールできているか——それが、後悔しない住まい選びの本質だと考えています。
住まいの形にかかわらず、家計の土台を整える第一歩は支払いの集約から。あなたに合う1枚を選ぶところから始めてみてください。

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