固定費の見直しというと、必ず候補に挙がるのが「電力会社の乗り換え(新電力)」です。「乗り換えるだけで電気代が安くなる」という言葉に、一度は心が動いた人も多いはずです。私自身も例外ではなく、実際に複数の新電力を契約して試しました。結論から言うと、「無理に乗り換えなくていい」というのが、私が出した正直な答えです。この記事では、その理由と、電力会社よりも先に見直すべき固定費について解説します。
この記事はこんな悩みを解決します
- ✓ 新電力に乗り換えたほうがいいのか迷っている
- ✓ 電力比較サイトの「年間○万円お得」が本当か疑っている
- ✓ 電気代より効果の大きい固定費の見直し先を知りたい
読み終える頃には、電力会社の乗り換えに労力をかけるべきかを、自分の状況で判断できるようになります。
先に結論
- 新電力に乗り換えても、多くの家庭で差は思ったほど大きくない
- 料金プランや市場連動型は情勢で高くなるリスクもあり、手間に見合わないことがある
- 同じ労力をかけるなら、通信費・保険・サブスクのほうが効果は大きい
私が新電力を試した結果
私は「固定費は一度見直せば毎月効く」と考えているので、電力会社の乗り換えにも一通り取り組みました。実際に契約して試したのが、Looopでんき(ループでんき)とオクトパスエナジーです。どちらも新電力として知られる会社です。
使ってみての率直な感想は、「正直、地域の電力会社のままで十分だった」というものでした。乗り換えで生じる差が小さすぎて、契約の手間やプランの確認にかけた労力に見合わなかったのです。もちろん使用量の多い家庭では話が変わりますが、少なくとも我が家のような一般的な世帯では、「乗り換えたから劇的に安くなった」という実感は得られませんでした。
これは、私がかつて食材の値札を1円単位で見比べていたときの学びと同じです。労力の割に、浮く金額が小さい節約は、続ける意味が薄い。電力の乗り換えも、人によってはこの「小さな節約」に近いのです。
なぜ「乗り換えで安くなる」が期待ほどでないのか
比較サイトでは「乗り換えで年間○万円お得」といった数字をよく見かけます。ですが、この数字にはいくつかの前提があります。
- 使用量が多い家庭が前提:試算は電気をたくさん使う世帯ほど大きく出る。少人数世帯では差は小さい
- 燃料費調整や市場価格の変動:市場連動型のプランは、情勢次第で逆に高くなることもある
- キャンペーンや初年度限定の割引:一時的な特典で安く見えても、継続的な差とは限らない
つまり、「誰でも・ずっと・確実に安くなる」とは限らないのが新電力の実態です。電気は生活に不可欠なライフラインなので、安さだけでなく「料金が急騰しない安定性」も大切な評価軸です。差が小さいなら、わざわざリスクを取って乗り換える必要はない、というのが私の考えです。
電力より先に見直すべき固定費
「固定費の見直しは大事」という前提は変わりません。問題はどこから手をつけるかです。効果の大きい順に取り組むのが鉄則で、私の経験では電力会社の乗り換えは優先度が高くありません。先に見直したいのは次の3つです。
① 通信費(スマホ・光回線)
効果が最も大きいのが通信費です。大手キャリアから格安SIMやサブブランドへの乗り換えは、月数千円単位で下がることも珍しくありません。スマホの見直しはahamoと日本通信SIMを比較した記事を参考にしてください。
② 保険
本当に必要な保障だけに絞れば、保険料は大きく下げられます。我が家が「最小限の保険」に行き着いた考え方は必要な保険だけに絞る記事にまとめています。
③ サブスク
使っていないのに払い続けているサービスは、見直しの宝庫です。家計簿アプリで明細を眺めるだけで、「これ、いらないな」が次々見つかります。固定費全体の進め方は固定費を削って浮いたお金を作る記事で解説しています。
これらを先に片付けてから、なお余力があれば電力を検討する——この順番が、労力対効果のうえで合理的です。
それでも新電力が向いている人
「乗り換えなくていい」と言いましたが、すべての人に当てはまるわけではありません。次のような人は、検討する価値があります。
- 電気をたくさん使う世帯:使用量が多いほど、単価差の効果が大きく出る
- ポイントやセット割を活用したい人:ガスや携帯とのセットで総額が下がる場合がある
- 料金プランを継続的に管理できる人:市場連動型のリスクを理解し、見直しを続けられる人
逆に、「手間をかけずに家計を整えたい」「電気代の変動は避けたい」という人は、無理に乗り換えず、効果の大きい固定費に集中するのが賢明です。
よくある質問
新電力は危ないと聞きますが大丈夫ですか?
送電網は地域の電力会社のものを共用するため、新電力に変えても停電しやすくなることはありません。ただし、市場連動型のプランは電力価格の高騰時に料金が上がるリスクがあります。プランの仕組みを理解して選ぶことが大切です。
乗り換えの手続きは面倒ですか?
手続き自体はWebで完結し、工事も基本的に不要なことが多いです。ただ、プランの比較や使用量の確認には手間がかかります。その手間に見合う差があるかを、事前に試算しておくとよいでしょう。
結局、電気代を下げる一番の方法は何ですか?
契約の乗り換えよりも、使い方の見直し(不要な待機電力を減らす、エアコンの設定を見直すなど)のほうが、確実で継続的な効果が出ることもあります。乗り換えは「最後の一押し」くらいに考えるのが現実的です。
もし乗り換えるなら、確認したい3つのこと
ここまで「無理に乗り換えなくていい」と書いてきましたが、電気使用量が多いなど条件が合う人もいます。実際に乗り換えを検討するなら、最低限この3つは確認しておきたいところです。
- 料金の仕組みが「固定単価」か「市場連動型」か:市場連動型は電力価格が高騰したときに料金が跳ね上がることがあります。安定を重視するなら、単価が決まっているプランのほうが安心です。
- 解約金や契約期間の縛りがあるか:短期で元の会社に戻すと違約金がかかる場合があります。「合わなければすぐ戻せるか」を契約前に確認しておきましょう。
- 本当に自分の使用量で安くなるか試算したか:比較サイトの「年間○万円お得」は使用量の多い家庭が前提のことが多いです。直近の検針票(使用量kWh)を入力して、自分の数字で試算するのが鉄則です。
この3点を確認せずに「安くなるらしい」で乗り換えると、思ったほど下がらなかったり、あとで料金が上がって後悔したりします。乗り換えは「得かどうかを自分の数字で確かめてから」が鉄則です。逆に言えば、ここまで手間をかけて差が小さいなら、その労力は通信費や保険に向けたほうが報われます。
まとめ:節約は「効果の大きい順」に
新電力を実際に2社試してたどり着いたのは、「差が小さいなら、無理に乗り換えなくていい」という結論でした。固定費の見直しは大切ですが、すべてを等しくやる必要はありません。効果の大きい通信費・保険・サブスクを先に片付けるほうが、同じ労力ではるかに大きなリターンが得られます。
「みんながやっているから」ではなく、「自分にとって効果があるか」で判断する。これは家計改善のすべてに共通する考え方です。まずは支出の軸となるクレジットカードを整えるところから、無理のない見直しを始めてみてください。

コメント